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2005-01-28

第3回・いのちを守り育む連続講演会

気づいた人が気づいたところからやるしかない

2005年1月15日 ビッグアイにて
 


  
うり農生協の研修3日目午前は実務職員からの研修、午後からはエスコープ大阪で昨年7月から開始しています「いのちを守り育む連続講座」第3回目への参加です。

有機農業の先駆者でもあり、山形県高畠町教育委員長を16年間努められてきた星寛治さんから、教育現場で起こっている様々な問題は、いのちを軽視する傾向の中で発生してきていると問題提起がされていきます。

自分を評価することの出来ない子ども達は、大人達が不安を持って生きている裏返しでもある。全身を使って生活する時間が少なくなっている。心身健全な子ども達にするには、子ども達を自然に帰すことが大切。食べ物は、いのちの糧であることを子ども時代から認識させる。他のいのちを頂いて生きていること。一緒に食べる、団欒で食べるという営みを大切にしてほしい。

29年前「耕す農の教育」が必要であると行政に向けて問題提起を始めた。当時ドイツやフランスで始まっていた「学童農園」を積み重ねていたならば、今の様なさんざんたる状態にはならなかった‥‥。気づいた人が気づいたところからやるしかない。

高畠町で取り組まれてきた有機農業運動への思いと重ねて、静かに‥‥そして力強く、街に住む私達に向かって語りかけて下さった星寛治さんでした。
  


  
続いて大郷博さんの講演です。立教大学でキリスト教の牧師として8年間学生達の心の成長に関わられたことから現在取り組まれているあぶらむの会の活動内容、近い将来の夢の実現として「学校づくり」を準備していることなどを話してくださいました。

受験が終わると高校までの学問を棄ててくる学生達のありようにショックを受け、そして腹が立ってきた。自殺する学生達、若者の体が病んでいる。人生の旅路に居る人たちが、自分の人生と向き合い迷ったときに立ち止まり、問題の所在を見つけて、また旅に出られるようにお手伝いが出来ないか‥‥。

おふたりの講師の話しに共通していたのは、子ども達が仮想現実に関わる時間が増え、生きていく野性の部分‥‥生身の実感を手にすることがなくなり、自らの事として捉えにくくなっていることへの問題提起です。経験・体験することで自らの人生の糧にする人をどのように育てていくのか、示唆に富んだお話しを伺うことができました。
  


会場では同時通訳(金先生・朴さん)で韓国・うり農生協、イウ高校の皆様も聴講。
  

過っての日本が学力至上主義であったように、現在の韓国は昨年報道されたように学力至上主義による受験現場での混乱が起き始めています。

イウ高校は、韓国の中での教育現場をいのちを大切にする場に復権させようと先駆的に創立されたばかりの学校です。

生協から提案してきた大地に触れる時間「産地交流」には、学校を休ませても連れて行きたい、と願う組合員の存在があります。

学校で習うよりも大切なものやことが「産地交流」にはある、と言い切る組合員。いのちを大切にする‥‥‥国を超え、世代を超えて参加した連続講座。集中して聴き取ろうとされていた皆様の姿勢に、共通する共感を強く感じた時間でした。
  



  
星さんのカバン持ちとして上和田有機米生産組合から派遣された菊地卓大さんは、この日の企画の立役者です。大郷博さんの「あぶらむの郷」で体験された様々な修行。あぶらむに出入りされていた大工さんから譲り受けた1台の軽トラックに、一人世帯の荷物を載せて向かった先が山形県高畠町だったのです。

その後ご縁があって高畠町で結婚され、有機農業農家の後継ぎとなっていく卓大さん。この繋がりを卓大さんからお伺いしたのが2年前のことでした。会場で卓大さんからは、「この様な繋がりの企画が実現できたのはエスコープ生協があってのことです」と興奮気味にそして控えめに語ってくださいました。

生協で取り組んでいる様々な事業と運動。そこに想いを寄せる組合員や職員そして生産者の皆様に違った視点から課題を捉えなおし、改めて評価しあうことができないか‥‥というのが「いのちを守り育む」連続講演会開催の趣旨です。
  


 
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