7日午後5時、ソウル江西区(カンソグ)加陽洞(カヤング)のキプンウリ福祉館地下1階の講堂。
「オジョルシグ、チョーッタ!」を掛け声に、知的障害を持つ学生らの「楽しい私たちの農楽仲間」が、銅鑼、太鼓、チャング(つづみ)、クェンガリ(鉦)などを軽快に鳴らし始めた。
「オルスーッ!」と、合間の拍子も絶妙に飛ばす彼らは、初の海外公演を前に心高ぶる表情を見せつつ、練習に汗を流した。大阪南部の泉北地域の祭典である「泉北ハンマダン」に招待された彼らは11日、現地でその実力を発揮する予定だ。
不自由な身体とつたない演奏ではあっても、韓日間の心の壁を越えようという彼らの覚悟は並々ならぬものだ。知的障害を持ち、楽器の演奏に苦労しながら「自分たちもできる」という自信をつかんだからだ。
10年前、両親の離婚で母方の祖母(74)と暮らしはじめ、知的障害3級の生活保護を受けるソン・ヒョンウ(17、ソウル経営情報高校2年、江西区登村洞)君。近所の子供らの冷やかしに常に肩身の狭い思いをしてきたソン君が笑顔を取り戻したのは、99年に農楽を学んでから。
「あんまり一生懸命に練習したから、指がすりむけた」といいながらも「最善を尽くして頑張ってみせる」と語った。
大阪府堺市泉北の「国連国際障害者交流センター」で開かれる「泉北ハンマダン」には、日本の知的障害を持つ青少年、子供らの団体50人余りも参加し、日本の伝統楽器を演奏する。
今回の行事は、ハングルと韓国文化の普及の先頭に立ってきた200人余りの日本人と韓国人で構成された団体の「ナヌンセ(注:飛ぶ鳥の意)」が、ワールドカップ(W杯)を迎えるにあたり「2002年韓日国民交流の年」を記念して行われる。
「ナヌンセ」代表のカン・ヨンミ(46、女)氏は「障害を克服し、優れた農楽を演奏する彼らのように、近くても遠い国である韓日両国も障壁を跳び越え、心が一つになることを希望する」と語った。
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