「恐れ多い事をしてしまった・・・」韓国の国民詩人・ユンドンジュ(1917〜1945)の詩に曲をつけ、今から歌おうとする演者の口から出た一言。
その人とは昨年秋CDを発表した神戸市東灘区の牧師・川上盾(じゅん)さん(41歳)。
昨年FIFAワールドサッカーで韓国と日本の若い人達が一足飛びに近くなったが、しっかりと向き合わなければならない歴史をも一足飛びに超えてしまいかねない彼らに「忘れてはいけない、若き詩人に死をもたらした歴史を!」と伝えたいと発表を思い立った。
僕が作った曲は、僕のフィルターを通した「異物」であり、ユンドンジュとは違った世界です。しかし、彼の詩は時空を超えて人の魂を揺さぶり感じるものだろう。
卒業した同志社大学に1995年に記念碑が出来たのがきっかけで詩と出会った。
CD発表後の反響に腰が抜けそうな思いをすることがたくさんあったが、多くの出会いを与えてくれたことに感謝している。
180センチはあろうかという長身を折りまげ、ギターを抱え歌い続けてくれた川上さん。
抗日運動に積極的だったとはいえないユンドンジュが獄中死になったのは、ハングルで詩を創作したから。生き延びるよりも生きる人間を選んだユンドンジュ。
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