想いの中で
2004年5月18日 ベトナム・フェにて 学生画家がスケッチしてプレゼントしてくれた
静かに、省みる時間。意識して掴んでおかねば流されていく日々の中で、わずかな時間でもひとりになる時を大切にしておきたい。
山村端子さんの詩集「たとえば木綿の‥‥1979年発行」「予定のない日‥‥1983年発行」は、ひとりになったときに口ずさむことがある。
その中から、ドン・キホーテのたたかいの詩をご紹介します
ドン・キホーテのたたかい
卓越したひとりではなくて
十人・百人のふつうの女の
知恵を集めて
羅針盤にして
行動し、そこから
自分の思想をつくります
自分の思想を
借り物でないことばで
語ります
石けんもみかんも野菜も醤油も
わたしたちの思想です
ドン・キホーテが風車にたちむかうように
いささかこっけいで非力なたたかいを
十一年、過ぎ来し方は
(傍観者たちの数よ)
1983年発行 詩集 予定のない日 より
著者 山村 端子(みずこ)さん