小林亮さんは大母の3年先輩。200年以上の歴史ある曲家を3年前に一部解体して今も生活されています。小林家の次男だったお父様は、農業技師として北海道の試験場職員として仕事に就かれていましたが、ご長男が戦死され家業の農家を継がれたそうです。
大母の父と同年代のお父様は7年前に亡くなられています。お話しの端々にお父様の生き様から学ばれてきたことが伺えます。お母様であるばっちゃんは痴呆症状があり、現在はショートスティを活用されていました。きよこかぁちゃんとは大恋愛で結婚されたと、ばぁちゃんが孫娘たちに日頃から語り聞かせてくれていたと次女の和香子さんが教えてくれました。
昔は炉が切られていた場所が、堀こたつになっています。改造された台所が見渡せる堀こたつは、家族は勿論のこと来客との団欒の場であり、安らぎの場となっています。
この団欒の場で思わぬ言葉を聞いてしまいました。
−−虚弱だったから、今の自分があるー
えっ?大母も虚弱だったの……。お互いに、どこがよ……という顔になってしまいました。
大母は1歳の時にすでに大手術を経験しています。その手術跡をお見せしました。病院の薬の匂いや往診に来る先生の思い出を、まさか山形で語り合える相手に出会うとは思ってもいませんでした。
ひとつ違う事が分かりました。両親が徹底して太陽の下で体力をつけさせてくれた大母は、ふたりの兄を追っかけて遊び回りました。大母から振り逃げて友達と遊びに行きたい兄たちを必死になって追いかけていました。遊びは外遊びばかりです。お手玉・あやとりなど今もってできません。
亮さんは、お手玉・あやとりが大変お上手だそうです。大母とは反対に室内で静かに生活されていたようです。
この団欒の場には、日本の有機農業運動に関わっている活動家が沢山座っていかれたようです。更に、奥では真剣勝負をかける部屋まで作られています。(笑)