金芝河先生に初めてお会いしたのは2002年5月、原州で行われたチャン・インスル先生の命日に開催されている「生命運動・フォーラム」でした。
応接室で向き合う私たちに、女性が世界を変えることが出来る。女性に男性の役割を求めるのではなく、女性本来の良さをいかす事が大切です。日本、韓国、両国の間で歴史が捏造されてきた。韓国に対し、すまないと誤ることがよい日本人(事),日本に対し、問題指摘することが良い韓国人(事)という風潮がなぜあるのか、両国の歴史を知ることで原因を探さねばなりません。明治時代、奈良正倉院に隠してしまったものは何か。日本本来(よろずの神)の宗教の研究も必要です。極と極の調和に、日本と韓国の生協が話し合いながら始めなければなりません……。
金丙鎭先生の通訳された声を聞き逃すまいと必死に書きとめたノート。農業定着者を増やすために国際間ネットワークの必要性も話してくださいました。私たちが今取り組んでいる日常活動の課題が、既に、金芝河先生の構想の中にはありました。WTO体制がもたらす農業現場の崩壊を食い止めるには、自国内は当然のことですが国際間ネットワークが果たす役割がある。アジアの国々と交流を重ねてきたこの数年間の中で、その必要性を強く意識せざるを得なくなっています。
今回の韓国訪問最終日に、2004年7月堺市で開催した「金芝河講演会」で金芝河先生と印象的な出会いをされた山形県上和田・菊地卓大さんとともに、ソウル市郊外一山(イルサン)の金芝河先生のご自宅を訪問いたしました。
|